3種類の「−」(符号,差,対称化) の関係  


  • いまわたしたちの前に3種類の「−」があります。──符号の「−」,差の記号の「−」,対称化記号の「−」です。

      例えば,式
(+2)−(−(−3))
      の中の3つの「−」は,左から順に,差の記号の「−」,対称化記号の「−」,符号の「−」です。

  • ここで,互いを視覚的に区別できるよう,つぎのように表すとしましょう:
符号の「−」   :
対称化記号の「−」:
差の記号の「−」 :

  • 符号の「」と対称化記号の「」の関係:
(3) = (+3)
(3) = +3

    混乱がないよう,正負の数を「(符合,絶対値)」の形で表すことにすれば,これはつぎのようになります:
(, 3) = (+, 3)
(, 3) = (+, 3)

  • 差の「」と対称化記号の「」の関係
    • 2数m,nに対し,「nm」は,「m+x=nを満たすx」と定義されました。したがって,
(nm) + m = n
      です。そしてこの式の両辺にmを加えると,つぎの式が得られます。
m = n+ (m)
  • 応用:
 (2)(3)
=(2)((3))
=(2)+(+3)

  • 一つの記号「−」を3つの異なる意味に混用することは,学習者にとって混乱のもとです。しかし,計算等では混用した方が使い勝手がよいという実践的メリットがあります。