“変換”のことばは,空間に関しては二通りの解釈が可能です。
一つは“点表現の枠の変換",そしてもう一つは“絵の変換”です。
“空間の変換”という言い回しがあるが,文字通りのそれは,“或る空間の中の空間の変換”でなければなりません。
実際,変換する空間のその変換が見えるためには,この変換の場としての別の空間が要る。そしてこのときの“空間の変換”は,“絵の変換”です。
──“空間Xにおける空間Yの変換”での空間Yの身分(本質)は,(キャンバスとしての)空間Xの上の絵。
キャンバスである空間に対しては,“点表現の枠の変換”と“絵の変換”の他に“空間の変換”があるわけではありません。“空間の変換”は“絵の変換”です。
──繰り返すが,空間に関する“変換”のことばの解釈は“点表現の枠の変換”と“絵の変換”の二通りです。
本章ではこのうち“点表現の枠の変換”を主題化し,そして第6章で“絵の変換”を取り上げることにします。