「曲線の接線」の次元を一つ上げると,「曲面の接平面」になる。
「曲線の接線」の概念は,つぎを含意している:
「曲線は局所的に直線──部分を拡大するほどに直線に近づく」
「曲面の接平面」の概念は,つぎを含意している:
「曲面は局所的に平面──部分を拡大するほどに平面に近づく」
註 : |
「なめらか」を分析的に表すと,「局所的に直線/平面」となる。
いまは「曲線・曲面」のことばを,「なめらかな曲線・曲面」の意味で用いているわけである。
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曲面の接平面を特定することばは,「点 \(x\) における接平面」である。
点 \(x\) における接平面 \(P\) は,つぎの特徴をもつ:
\(x\) を通る任意の曲線 \(C\) は,\(x\) におけるこれの接線が \(P\) に含まれる
翻って,これが「接平面」を定義するときの形になる。
即ち,つぎを定理として証明する:
点 \(x\) に対し,つぎの条件を満たす平面 \(P\) が存在し,且つただ一つ存在する:
\(x\) を通る任意の曲線は,
\(x\) におけるこれの接線が \(P\) に含まれる
そして,\(P\) を「\(x\) における接平面」と呼ぶ。
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