Up わたしの真っ直ぐは,真っ直ぐでない 作成: 2018-01-26
更新: 2018-02-12


    「リーマン多様体」は,アインシュタインが「一般相対性」の幾何学にしたものである。

    「相対性」の意味は,「多様性」「それぞれ好き勝手」ではない。

    わたしは,空間の各点 \(P\) で,同じ正規直交座標を設け,その点を中心とした地域の地図 \(\phi_P\) をつくる。
    しかし,\(\phi_P\) の正規直交座標は,他の点 \(P'\) の地図 \(\phi_P'\) にこれを読み込むと,歪むことになる。
    <真っ直ぐ>と<歪む>が共存するのである。

    線型に歪んでいるのなら,それは当たり前であり,ユークリッド幾何学の内容である。
    しかしこの場合は,非線形に歪むのである。

    「非線形に歪む」は,《「平坦でない」空間に対して地図をつくれば,地図の<周辺効果>としてこうなる》というものである。
    日常で使う地図がそうであるように,「平坦でない」ものの地図は周辺部が歪むのである。


    わたしは,別のわたしには歪んで見える。
    これが,「リーマン多様体」が含蓄する「相対性」であり,「一般相対性理論」の謂う「相対性」である。

    実際,「リーマン多様体」は,この「相対性」の幾何学である。
    「一般相対性理論」のテクストは,そのなかで「リーマン幾何学」を解説するが,その解説はたいてい間違っている。
    「相対性」の意味がわかっていないのである。
    「相対性」の意味を「それぞれ好き勝手」の話にして,いろいろな座標系の話にしてしまう。
    そもそも,「多様体」を踏まえていないので,「多様体」の話──地図の話──になっていないのである。