Up 接ベクトルに沿う測地線 作成: 2018-01-12
更新: 2018-01-12


    「\( \bf A \) に沿う測地線」の概念を導入し,つぎの条件式を導いた:
      \[ \frac{d a_i({\bf x}(t))}{dt} + \Gamma^{m}_{ij} \ a_m({\bf x}(t)) \frac{{dx^k}({\bf x}(t))}{dt} = 0 \]
    いま,「点 \( {\bf x} \) における空間の接ベクトル」というものを考え,これがベクトル \( {\bf A}({\bf x}) \) だということにする。
    「\( \bf A \) に沿う測地線」は,「空間の接ベクトルに沿う測地線」である。

    接ベクトルは,曲線 \( {\bf x}(t) \) の接ベクトルとして定義される。 その式は,
      \[ \frac{{dx^i}({\bf x}(t))}{dt} \]
    であるから,
      \[ a_i({\bf x}(t)) \longrightarrow \frac{{dx^i}({\bf x}(t))}{dt} \]
    の読み換えになる。
    こうして,つぎが「空間の接ベクトルに沿う測地線」の条件式になる:
      \[ \frac{d^2 x^i({\bf x}(t))}{dt^2} + \Gamma^{m}_{ij} \ \frac{dx^m({\bf x}(t))}{dt} \frac{dx^k({\bf x}(t))}{dt} = 0 \\ \\ \left( \quad \frac{d^2 x^i}{dt^2} + \Gamma^{m}_{ij} \ \frac{dx^m}{dt} \frac{dx^k}{dt} = 0 \right) \]

    単に「測地線」と言うときは,「空間の接ベクトルに沿う測地線」を指す。



    註 : 「接ベクトル」のイメージをもたせるための教育的方便として,低次元が用いられる :「われわれの空間が曲面ないし曲線だと想像せよ」。
    しかしこの方便は,学習者に「相対性」の概念を誤解させるもとになる。
    すなわち,いろいろな次元が考えられることを「相対性」の意味にしてしまうのである。
    数学は,空間を《どの観測者にとっても同等》というふうに立てる。
    その空間はどの観測者にも同じ次元であり,そしてどの観測者もその次元のデカルト座標を立てる,とするのである。
    ただこのとき,各々が立てるデカルト座標がつぎのようになる:
      《観測者Aの立てるデカルト座標は,
       別の観測者Bにとってデカルト座標ではない》
    これが「相対性」の正しい意味である。
    そしてこのときの空間の概念は, 「n次元多様体」である。
    低次元の喩えの後には,「相対性」の正しい意味の指導が続かねばならない。