Up 学生が専門科目履修を最低限で済ます 作成: 2008-06-05
更新: 2008-06-05


    数学の授業を,さっぱりわからない状態で過ごしてきた学生,「ナンセンス」と過ごしてきた学生,試験勉強に収束するもののように過ごしてきた学生は,教員免許法が定める専門数学の最低限の単位を取ったら,それ以上の専門数学の授業をとらなくなる。
    実際,彼らにとって,これ以上専門数学の授業を受ける意味がないからだ。

    教員免許法が定める専門数学の最低限の単位を取り,さらに専門数学の授業を受けようとするのは,学生が専門数学の授業を受けることを自分の成長に意味づけている場合に限る。

      免許要件の単位数を取ったらもう専門数学の授業をとらない学生を見て,「いまどきの学生は,ラクな方を選ぶ」みたいにとらえるのは,間違いである。

    翻って,学生に専門数学全体を履修させるためには,免許取得必要最少単位にあたる専門数学の授業 (I, II 科目) を失敗授業にしてはならないということである。


    数学教員養成の観点からいって,専門数学の履修が I, II 科目でとどまるというのは,論外である。
    しかし,学生にただ「III, IV, ‥‥ も履修するように」と言っても,効果はない。
    学生が I, II 科目をとった後でさらに III, IV, ‥‥ 科目も履修しようとするのは,繰り返すが,専門数学の授業を受けることを自分の成長に意味づけている場合に限る。