Up 要 旨 作成: 2013-01-15
更新: 2013-01-15


    学校数学を攪乱するものは,学校数学が自身の攪乱装置として自ら備えているものを含め,大小いろいろである。

    主要なものでは,先ず人材育成論/学校数学出口論が挙げられる。
    世の中には人材論・人材育成論がつねにある。 学校数学は,この人材論・人材育成論に学校数学出口論で応じる。
    学校数学出口論は,学校数学の最も自然な攪乱になる。

    "新指導要領" は,学校教育の系を攪乱するという形で,学校教育を景気づけることが役割である。
    行政による景気対策の一つである。

    学校数学出口論には,つぎの「数学的○○」の流れがある:
      「数学的考え方」→「数学的問題解決」→「数学的リテラシー」
    これは,<経済界・国が求める人材>と重ね合わせられ,そして "指導要領" も取り込む格好で, 学校数学出口論の主流を形成している。
    学校数学出口論は学校数学の攪乱を機能にもつが,この場合の「数学的○○」の特徴は,数学教育学パラダイムとして学校数学を攪乱するということである。

    また,学校数学は,2極の攪乱の間の振り子運動を備えている。
    「数学」と「数学」の2極である。
    両者はそれぞれ功罪相半ばであるから,一方への振れが大きくなるとき<失敗>を現す。 これに対する軌道修正として,反転が起こる。 こうして,振り子運動になる。
    学校数学は,この自動装置を備えていることで,<新規攪乱の捻出>の労を著しく免れていられる。