Up 教員は進化する 作成: 2013-01-03
更新: 2013-01-03


    杉の桶がプラスチックの桶になることは,桶の進歩ではなく,桶の進化である。
    杉の桶づくりの技では,後進は先人を超えられない。
    そしてそもそも,後進は先人の歩んだ道を歩む者ではない。 先人とは別の道を歩む/歩んでしまう者である。

    学校数学/教員は進歩しない。
    一方,「進化」に「退化も進化」の意味も込めて,教員は進化する。

    いま教員は,<数学の授業>指向をますます弱める傾向にある。 これまでも学校数学が数学の授業であったためしはないが,いまは明確に数学の授業から離れようとしている。
    即ち,算数・数学科は,いまは<生きる力の陶冶>を行う科目ということになっている。 <生きる力の陶冶>に従来の学校数学の内容を素材として使うというのが,算数・数学科に対するいまの教員の構えである。
    これは,学校数学/教員の進歩ではないが,教員の進化である。

    いまの教員は,<教える>を失くしてきているが,これに換わる分,<楽しい授業>や<生徒同士の話し合いが中心になる授業>への傾倒を強くしている。
    これも進化である。