Up 「人材育成」 作成: 2014-01-31
更新: 2014-01-31


    「算数の授業」は,授業の意味を「人材育成」にする。
    「人材」の記述は,「一般能力」のことばを用いる。
    実際,「算数の授業」にとって,「人材育成」を述べることは「一般能力陶冶」を述べることと同じである。

    「算数の授業」が授業の意味とする「人材育成」は,「この時代を生き抜く人間の育成」である。
    「算数の授業」は,「人間が育つとは,この時代を生き抜く人間に育つことである」という人間観を,暗黙に定めていることになる。

    これに対し「数学を養う」の方は,「人間」の意味を普遍的に考える趣がある。
    「この時代」を,相対的に考える。
    今日学校教育で謳われる「グローバリズム」は,問題にならない。

    「数学を養う」は,なぜこのような考え方になるのか?
    実際,これが数学の真骨頂ということになる。
    数学の勉強には,何かしら,世間から外れる契機がある。
    これは,「算数の授業」が見ないところである。 ──「即時代」で自らを立てるのが, 「算数の授業」だからである。