Up 鍛錬 作成: 2014-01-20
更新: 2014-01-29


    「数学を身につける」は,「運動能力を身につける」の一つである。
    「数学を身につける」として行うことは,アスリート・競技プレーヤーの能力を身につけるのと同じである。
    それは,カラダづくりである。

    このカラダは,基本動作の修得を一つずつ確実に積み重ねていって,成るものである。
    「数学を身につける」では,つぎのものが「基本動作」になる:
      数学の言語を身につける
      論理を身につける
      定義・定理の言い回しを身につける
      論証を身につける
      体系の構成を身につける

    このカラダづくりは,鍛錬・修行である。
    そうすると,「数学を身につける」は,だれもが行えるというものではないのでは?
    「だれもが行えるというものではない」どころではない。
    ごく少数しか行えない。

    さらに,「数学を養う」の授業は,「数学を身につける」の鍛錬・修行を行わせることである。 「数学を身につける」はごく少数しか行えないわけであるから,この授業は「学校教育」としては成り立たない。


    以下は,「鍛錬」の要素となることばである:

    (1)「身につく」
    「数学を養う」は,「身につく」がゴールである。
    「できた・わかった」ではない。

    (2)「ジタバタ」
    数学を身につける行動の形は,「独りでジタバタする」である。
    一方,「算数の授業」では,「ジタバタ」は「生徒に無理な負担をかける」「できない/わからない生徒がかわいそう」の意味になる。 そこで,「話し合ってごらん」の指導法になる。

    (3)「がまん」
    「数学を身につける」は,「がまん」である。
    「数学を養う」は,「がまんの算数」である。
    一方,「算数の授業」は,「楽しい算数」を謳うものになる。