Up 簡潔版「授業設計の仕方」  


    以下,「授業設計の仕方」を簡潔に示します。
    これを参考に,自分の行う授業設計をチェックしてみてください。

  1. 主題の理解

    • 主題の理解は,数学の学力・知識に依存します。
      学力・知識の不足をつねに意識しつつ,謙虚に取り組みます。
    • 数学の本にあたる習慣をつけましょう。
    • 「ホントが難しいからホントっぽいウソを教える」は,やってはだめ。
      (子どもを理由にして自分を甘やかすことが,くせになります。)
      特に学生のうちは,「ホントを易しい表現に降ろす」をとことん追求すること。(修行!)

  2. 授業のストーリーを,フローチャート/ブロックチャートで作成

    • 授業を合理的に構造化します。
      (もっとも大きなブロック化が,<導入 - 展開 - まとめ>)
    • 各局面の意義(存在理由)・内容を,短い言葉で明確に表現します。
    • 局面を起こす/転じる/閉じる<決めのことば>を,明確にします。

  3. 授業のストーリーを,絵コンテで作成

    • 場面情景
    • せりふ
    • 動作 (ト書き)
    • ビジュアル教材 (ビジュアル補助)
    • やりとり (コミュニケーション) のパターン
    • 以上に対する注釈

  4. 絵コンテの推敲

    • ストーリーの進行において,場面 (せりふ・動作・ビジュアル補助) が未解決になったままの箇所がないか?

  5. パフォーマンスをつける

    • せりふのスピード,抑揚,強弱,間(ま)
    • 動作(立ち位置,ボディ・ランゲージ,指示動作)

  6. パフォーマンスの推敲

    • 自分による自分の演技指導
    • ストーリーが,ぎくしゃくせず,自然に流れているか?
    • ストーリーの進行において,パフォーマンスが未解決になったままの箇所がないか?

  7. 以上すべてにわたって,謙虚に(自分に厳しく)実行します。
    欠けたままで終えるクセをつけないこと。

  8. 実際には,授業をいちいちこんなふうにつくるなんてことは,できません。
    しかし,一つの授業を確実に完璧につくるという経験は,必要です。
    ──これをしっかり修行しないと,「いい加減な授業で過ごし,そしてそのことを知らない」教師になってしまいます。