Up 「導入→展開→まとめ」 作成: 2011-03-08
更新: 2011-03-08


    「導入→展開→まとめ」の構成は,授業の基本(定石) である。

    「導入」は,既習の押さえと,本時の課題・学習行程・ゴールのアナウンスをする。
    「展開」は,課題提示で始まり課題解決で終わる。 練習も,これに含める。
    「まとめ」は,学習過程の振り返りをしつつ,学習の成果を明示する。 次の授業内容の予告も,これに含める。

    「導入→展開→まとめ」は,授業構成はこれ以外ではあり得ないというものである。
    「登山遠足」の喩えを用いて,このことを説明しよう。

    現地集合の生徒に対し,教員は最初に,山登りの準備ができているかどうかのチェックを行う。 準備ができていないまま登山させれば,途中でのブレイクダウンや事故になるからである。
    つぎに,教員は,生徒に行程をアナウンスする。 ゴールを指し示し,行程の概略を伝える。
    これを行うのは,ひとは行程の意味を知らずには行程に取り組めないからであり,そして行程の意味を知って行程に取り組むことがゴール到達に有効だからである。 ただ登らされるのは耐えられないことであり,そしてわかって登る方がただ登らされるよりもはるかに山頂到達に有効だからである。
    ここまでが,「導入」である。

    そして,「さあ,登山開始!」となる。
    教員は,生徒を引っ張ったり・押したりして,山を登らせる。
    局面の転換を,中休みを用いてつくっていく。
    これが,「展開」である。

    山の頂上についたところで,下界を眺め,行程をゆっくり振り返る。
    頂上到達の意味を明示し,これを評価する。
    そして,「次回はもっと難しい登山に挑戦したいものだ」の思いをもたせる。
    これが,「まとめ」である。

    登山遠足は,この「導入→展開→まとめ」の構成以外ではあり得ない。
    そしてこれと同様ということで,数学の授業も「導入→展開→まとめ」の構成以外ではあり得ない。