Up 「基本型 (定石)」の意味 作成: 2011-03-08
更新: 2011-03-08


    基本型 (定石) は,経験から得られたものである。
    ここでいう「経験」は,通時・共時のひとの経験であり,個人を超えた経験である。

    基本型は,個人の経験を超えたものであるから,個人はこれの意味を理解できない。
    ひとは,自分の理解できないものは,迷信・旧態にする。
    こうして,基本型はいつも新しい世代から蔑ろにされるものになる。

    しかし個人は,基本型に合点がいく経験を増やしていく。
    そして,「基本型 (定石)」に対し,なにかすごく深い智慧といったものを感じていくようになる。 「基本型 (定石)」に畏敬の念をもつようになっていく。

    さて,基本型は,入門者がきちんと取り組まねばならないものである。
    一方,入門者は,これの意味がわからない。
    そこで,基本型は,これの意味を感得できるようになった年長者が入門者に指導するというものになる。

    教員に対する授業法の基本型の指導は,学校ないし地域の教員学習サークルを単位として,ずっとこのように行われてきた。
    しかし,いまの時代は,このやり方の継承が難しくなっている。