「授業設計」は,つぎの作業プロセスである:
- 主題の理解
- 主題の理解は,数学の学力・知識に依存する。
学力・知識の不足をつねに意識しつつ,謙虚に取り組む。
- 数学にあたる習慣をつける。
- 学校数学は,「ホント(数学) は難しいからホントらしいウソを教える」をやる。
これは,方便である。
これを本当にわかってやれるのは,熟達した者である。
「ホント・ウソ」の内容を知らない初心者は,これに安易に乗ってやってはならない。
子どもを理由にして自分を甘やかすことが,くせになる。
特に,教職を目指す学生は,「ホントを易しい表現に降ろす」をとことん追求することが仕事である。(修行!)
- 授業のストーリーを,フローチャート/ブロックチャートで作成
- 授業を合理的に構造化する。
(もっとも大きなブロック化が,<導入 - 展開 - まとめ>)
- 各局面の意義(存在理由)・内容を,短い言葉で明確に表現する。
- 局面を起こす/転じる/閉じる<決めのことば>を,明確にする。
- 授業のストーリーを,絵コンテで作成
- 場面情景
- せりふ
- 動作 (ト書き)
- ビジュアル教材 (ビジュアル補助)
- やりとり (コミュニケーション) のパターン
- 以上に対する注釈
- 絵コンテの推敲
- ストーリーの進行において,場面 (せりふ・動作・ビジュアル補助) が未解決になったままの箇所がないか?
- パフォーマンスをつける
- せりふのスピード,抑揚,強弱,間(ま)
- 動作(立ち位置,ボディ・ランゲージ,指示動作)
- パフォーマンスの推敲
- 自分による自分の演技指導
- ストーリーが,ぎくしゃくせず,自然に流れているか?
- ストーリーの進行において,パフォーマンスが未解決になったままの箇所がないか?
「授業設計」に向かう教師の基本スタンスは,以上すべてにわたって謙虚に(自分に厳しく)実行するというものである。
実際は,授業をいちいちこのようにつくることはできない。すなわち,これをやる余裕が教員にはない。
しかし,一つの授業を確実に完璧につくるという経験は,必要である。
これをしっかり修行しないと,「いい加減な授業で過ごし,そしてそのことを知らない」教師になってしまう。
「授業設計」は,抜けを残したままで終えるクセをカラダにつけてしまわないことが,肝要である。
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