Up 完全台本をつくる 作成: 2007-06-19
更新: 2011-03-10


    台本づくりは,せりふづくりがおおもとである。
    「発問する」「生徒に作業させる」調のト書きを並べることではない。

    授業づくりの初心者である学生に模擬授業を課すと,たいてい,ト書きを並べて授業設計したつもりになる。 その授業メモで授業を行い,ことばが出てこないので大急ぎでをそのシーンを過ぎようとし,1授業時間の授業を数分で終えてしまう。

    彼らは漠然とつぎのように思っている:
      自分は,授業の場に立てば,自ずとメモの間隙を埋めるような授業をする。
    その場に立てば適切なことばを言い適切な行動をするだろう,というわけだ。

    予め考えておらず,つくっていないものが,その場になって出てくる?
    出てこない。
    現に,授業メモ分を数分やってブレークダウンとなる。


    経験を積めば,授業に臨むのに授業メモで足りるようになる。「今日はこのことをしよう」で済むようになる。 しかしそれは,これまでの経験により授業構築がカラダに入っているからだ。
    授業の初心者は,まだ空っぽ。中身をつくっていかねばならない立場にある。

    初心者の場合は,授業の完全台本をつくらないことには,授業にならない。
    舞台ものや映画をつくるみたいに,ほんとうに<ぜんぶ>をつくる。

    経験者でも,授業設計は完全台本作成にまで行かないと,安心できない。
    授業メモでは,欠陥や「実は考えていない」ということを,見過ごしてしまう。 完全台本をつくるということをしなければ,それらに気づけない。