Up <なに・なぜ>への答えを評価 作成: 2011-03-12
更新: 2011-03-12


    「学習評価」として評価するものは,<わかる>である。
    生徒がわかったか・わからなかったかを,評価する。
    評価する問いは,したがって,「なに・なぜ?」である。
    そして,「なに・なぜ?」に対する生徒の答えを,評価することになる。

    しかし,「なに・なぜ?」の問いは行われていない。
    どうしてか?
    この形の問いがあること,この問いが数学の問いとして本来のものであることが,概念になっていないからである。

    実際,教員自身,「なに・なぜ?」の問いには答えに窮してしまう。
    なに・なぜ?」の問いに対しては,数学の定義・証明を答えることになる。 これは,教員にとっても,難しい。
    そこで,「なに・なぜ?」の問いのあること,この問いに答えねばならないことが,思考停止される。 心理的抑圧として,概念になることが抑えられる。

    では,現実に「学習評価」においては,「なに・なぜ?」を問わないで何を問うているのか?
    専ら「いかに?」を問うている。

    たとえば計算は,数学では推論であり,計算を問うことは推論を問うことである。 しかし,計算はノウハウとして教えられる。 そこで,計算のノウハウを問うことが計算を問う意味になる。
    実際,「学習評価」の計算問題は,このようなものである。