Up 「多様な考え」の評価に,教員の数学力が示される 作成: 2011-03-05
更新: 2011-03-05


    「多様な考え」に対し,教師は,考えの巧拙・優劣を明らかにしていく。
    巧拙・優劣を明らかにすることは,数学である。
    この意味で,「多様な考え」の扱いに教員の数学力が示される。

    子どもの豊かな発想にびっくりした。子どもはすばらしい。」のことばが,よく教員から出てくる。 しかし本当のところはどうかと言えば,子どもが数学で驚くべき考え方を示すということは,先ず無い。
    教員の数学力が十分でないため騙されてしまっている,というのが実際のところである。


    「子どもの豊かな発想」として大人がびっくりするのは,子どもの発想の<ノンカテゴリカル>の面である。
    大人は<カテゴリカル>に入っている。 <カテゴリカル>に入ると,もとの<ノンカテゴリカル>には戻れない。 そこで,大人で<ノンカテゴリカル>をやる者は,「創造的」のことばで評価される。
    一方,子どもの<ノンカテゴリカル>は,素である。

    教員の数学力が十分でないと,この<ノンカテゴリカル>に騙される。


    教員の数学力が十分でないと,つまらない考え方にも騙される。
    自分の想定外は,みな「すばらしい」になってしまうからである。

    強調するが,子どもの考えにびっくりするのは,それを想定していなかったらである。 そして,想定していなかったのは,数学力が十分でないからである。