Up <わからせる>をやれば,それが「説明」 作成: 2011-03-04
更新: 2011-03-04


    授業の初心者に「ゆっくり話なさい」「間をとりなさい」「めりはりをつけなさい」と言っても,できない。
    「ゆっくり話す」「間をとる」「めりはりをつける」は,しようと思ってすることではないからである。
    特に,技術ではない。

    ひとに<わからせる>をやろうとするとき,「ゆっくり話す」「間をとる」「めりはりをつける」に自ずとなる
    初心者は,<わからせる>がわからない。 したがって<わからせる>を行為できない。 この様が,《「ゆっくり話す」「間をとる」「めりはりをつける」ができない》なのである。
    原因と結果を取り違えてはならない。


    初心者は,<わからせる>がわからない。 ここで<わからせる>がわからないとは,相手に対する<わからせることが難しい者>の捉えができないということである。
    実際,授業の初心者は,生徒を自分のコピーにする。
    自分自身に話し,授業するわけであるから,抵抗・障害がもたれない。 どんどん進行する。

    これは,大学の専門数学の授業に,特によく見られることである。
    授業者に対し「学生は授業者のコピーではない」を教えるものは,学生の抵抗・ブレイクダウンである。 しかし学生は,わからないことを自分のせいにする (「わからないのは自分ができないからだ」)。そして抵抗に遠慮する。 またここには,抵抗の仕方がわからないという面もある。
    そして,授業者は,学生のブレイクダウンに気づかない。
    学生は,ノートをせっせととっている。 授業者は,学生が自分の授業についてきていると思う。