Up 論理を問う「なぜ」 作成: 2011-03-03
更新: 2011-03-03


    数学は,体系構築の方法論を,学の対象にする。
    この方法論は,つぎのものである:
    1. 形式言語を定め,
    2. 公理を定め,
    3. 推論規則を定め,
    4. 公理を起点とする推論によって,体系を生成する

    公理と推論規則は,二値論理を定める。
    すなわち,公理を起点にする推論は,真な命題を導く推論である;真な命題でない命題は,これの否定が真な命題になるものである。

    諸学は,数学を手本にするが,形式言語の方法が無理なために,二値論理にならない。 諸説色々というふうになる。


    数学の授業は,数学の方法論を併せて教えていることになる。
    数学科の単元に「論証」があり,これが数学の方法論 (以下「論証」と呼ぶ) を特個的に扱う単元ということになるが,「論証」は数学科のすべての内容に存る。

    「論証」を意識させ,これを実践させる問いが,論理を問う「なぜ」である。
    授業では,この「なぜ」がつねに発問の中心になる。

      教師が発問する。
      生徒が,答えを返す。
      教師は,この答えを全員に共有させる。
       (「○○さんの考え方,みんなわかった?」)
      そして,なぜそれが答えになったのかを問う。
       (「なぜ?」)
      問うているのは,どんな推論をしたかである。