Up 誤答の意義・役割 作成: 2011-03-03
更新: 2011-03-03


    推論は,<正しくない>に対し<正しい>があり,<拙い>に対し<巧い>がある。
    正しくない推論が正しい推論を映す鏡になり,拙い推論が巧い推論を映す鏡になる。
    そして,この<鏡としての正しくない推論,拙い推論>の役割をもつのが,「誤答」である。

    誤答のこの役割に照らし合わせるとき,誤答にもよい誤答とつまらない誤答がある。
    教員は,「つまらない誤答を捨て,よい誤答を残す」ができなければならない。

    素人教員は,誤答を<退けるべきもの>にするか,あるいは「誤答は大事だ」をどこかで聞きかじってきて,誤答をなんでもかんでも大事にしようとする。

    つまらない誤答を捨てることを「誤答の生徒が傷つく」話に転じる教員もいる。
    本人は人道主義のつもりでいるのだろうが,学級づくりの内容の一つに《「つまらない」を評価語としてきちんと使える学級をつくる》があることを知らないだけである。