Up いまいる位置を知らせる: 要旨 作成: 2011-02-26
更新: 2011-02-26


    ひとは,自分がいま置かれている世界・行程・局面を知らないままで行動はできない。
    五里霧中に置かれると,ブレイクダウンする。 一方,霧を晴らしてもらえれば,動けるようになる。

    授業者は,人のこの生理を心得ていなければならない。
    授業は,生徒が自分のいま置かれている世界・行程・局面を理解しているかどうかに,つねに気を配っているものである。
    理解していないようなら,理解させる。

    しかし,いまの教員は,「ネタを明かさない」を指導法にしているるふうである。
    すなわち,何の授業かわからない授業をやる。──ここでの「何の授業かわからない」の意味は,「生徒にとって,何の授業かわからない」ではない。「だれにとっても,何の授業かわからない」である。
    実際,「ネタを明かさない」を指導法のように言う者がいるのであろう。

    ネタバレしたら授業にならない」の思いから,<何の授業かわからない授業>をやる。──これはとんだ考え違いである。
    ネタバレしたら授業にならない」を言うのは,「自分には授業力が無い」を言うのと同じである。