Up 本テクストは,<数学を>を立場とする 作成: 2011-02-25
更新: 2011-02-25


    <数学で>は,学校数学の考え方の主流である。 すなわち,「数学を勉強」に「一般能力陶冶」を明示的に重ね合わせることが,学校数学の方法の主流になっている。

    「一般能力」は,一昔前は「数学的考え方」,少し前は「数学的問題解決能力」,そして近頃は「数学的コミュニケーション能力」「数学的リテラシー」,というぐあいに標題が移り変わってきている。
    この移り変わりの意味は何か?
    「数学的考え方」の課題が達成され,つぎに「数学的問題解決能力」の課題が達成され,そしていまは「数学的コミュニケーション能力」「数学的リテラシー」の課題達成の取り組みに入った,ということではない
    各フェーズは,フェイドアウトで終わる。
    新しいフェーズの開始は,「看板の掛け替え」が実態である。

    本テクストは,これを<数学で>の実践の失敗とは見ない。
    <数学で>の考え方,すなわち「数学を勉強」に「一般能力陶冶」を明示的に重ね合わせる考え方に,根本的間違いがあると見る。

    本テクストは,「数学を勉強」と「一般能力陶冶」の関係をつぎのように考える:
    <数学で>が求める「一般能力陶冶」は,はじめから「数学を勉強」の含蓄になっている。
    そしてこの意味で,《数学の授業は「数学を勉強」の一本である》を立場とする。
    ──<数学を>が,本テクストの立場である。