Up 転移 作成: 2006-05-09
更新: 2007-08-10


    一つのことの学習経験は,別のことでも効いてくる。
    これを「転移」と謂う。

    良質な学習経験は,良質な力の転移になる。
    良質な学習経験は,教科教育に求めるのが確実だ。実際,教科は長い歴史に揉まれてきている。
    この理由から,「生きる力をつける」という目的に適うこととして,学校は安心して教科教育の充実に取り組んでよい。
    逆に,生活単元・コアカリキュラムみたいなことは,役に立つ力をつけない。

    さらに,「狭く深く」が,転移がもたらす力を強くする方法。 ──「浅く広く」が,いちばんダメ。
    拡散するより限定する方が力がつき,しかも人にはいろいろなことに手を付ける時間的・物理的・能力的余裕はないのだから,安心して「狭く深く」に没入してよいわけだ。
    そして,「狭く深く」の実現にも,教科教育が確実な方法になる。


    ちなみに,学校教育は,実質陶冶 (教科教育) と形式陶冶 (総合的学習) の間を周期的に行ったり来たりする。 だいたい20年くらいの周期であり,一世代と一致するので,「前に失敗したことの忘却」現象と見ることができる。