Up 教科指導の二重性──論理とマナー 作成: 1996-10-15
更新: 2007-08-09


    教科の指導の半分は,リアルと理論のカップリング (リアルに対する理論の適用,理論に対するリアルの適用) の指導であり,「妥当な恣意」の指導 (すなわち「行儀(マナー)」の指導) になる。この意味で,「生活科」が教科の半分。
    そして理論そのものの指導が,残りの半分である。

    例えば算数科の場合,理論そのものの指導を「数学科」と呼ぶことにすれば,算数科は生活科と数学科の二つで成っていることになる:



    そしてこれに対応して,算数科での評価には,生活科の評価と数学科の評価がある。 この二つを明確に区別しなければならない。

      算数科での「×(バツ)」に二種類:

      1. 生活科の「×」:「この答えでは社会からスポイルされますよ」
      2. 数学科の「×」:「正しくない」


    つぎの例では,「四角形」の見方は,通常「行儀の悪い」恣意ということで教師から評価「×(バツ)」をもらってしまう。
    ──この「×」は,数学科の「×」ではなく,生活科の「×」。「こんなことをすると社会的にスポイルされますよ」という警告である。