Up 要 旨  


    教育行政は時代とともに揺れる。 実際,10年から20年の周期で,形式陶冶と実質陶冶を行ったり来たりする。
    この周期運動は,つぎの力学による:

      教育では,問題が起こる。
      この問題を解決しようとして施策を立てるが,これを思いつきレベルでやってしまう。
      教育は複雑系である。 害虫駆除が生態系の破壊になってしまうように,解決の施策と見えたものは,より大きな不具合を発生させて,失敗となる。
      そこで,回れ右。 ──形式陶冶に進んで失敗したときは,実質陶冶に反転。実質陶冶に進んで失敗したときは,形式陶冶に反転。
      そして,形式陶冶の方向でも実質陶冶の方向でも,行き過ぎて失敗する。
      しかし,<問題→施策→失敗→反転>は,世代忘却される。 そして,このプロセスがまた繰り返される。