原始関数のグラフの作図 (近似処理) 作成: 2006-07-23
更新: 2008-07-18


  1. 課題:「原始関数のグラフの作図を考えよう」

      連続な関数fから,つぎの条件を満たす関数FのグラフGを作図 :
        点 ( x, F(x) ) でのGの接線の傾きが f(x)


  2. 作図のアイデア

    • f が定値関数であれば,小学算数の知識でGを求めることができる (G は直線)。
      f が定値関数ではないので,問題になっている。
    • x の区間を区切って f のグラフを<階段>に近似すると,G の近似 (<折れ線>) が得られる。
    • 区分を細かくすることによって,G のよりよい近似が得られる。
        予想:「区分を細かくしていくと,<折れ線>がひとつの形に収束する」


  3. 作業
      近似した<階段>グラフに対し,このときの<折れ線>グラフを,計算で求める。


  4. <階段>グラフへの近似と,これに対する<折れ線>グラフを求める計算の式を,文字式で表す。
    (これは「区分求積」の概念に一般化される)

    1. <階段>グラフへの近似と,これに対する区分求積 St の計算式を,文字式で表す:

        Sx = f(x1)·Δx1 + f(x2)·Δx2 + ‥‥ + f(xn)·Δxn
          ( x = x1 + x2 + ‥‥ + xn )

    2. (シグマ) の記号法を導入する:
        f(x1)·Δx1 + f(x2)·Δx2 + ‥‥ + f(xn)·Δxn =  n

        k=1
        f(xk)·Δxk


  5. 「区分を細かくする」の極限を,式に表す。
    (これは「定積分」の概念に一般化される)

    • lim を導入する:
        lim
        n→∞
        n

        k=1
        f(xk)·Δxk