Up 「不定積分」 作成: 2012-12-04
更新: 2012-12-04


    不定積分は,生徒にとって最もわからない主題の一つである。

    不定積分は,明証的に教えられない。
    曖昧に,没論理に,教えられる。
    よって,わからないのが当然となる。

    教師も,不定積分をわかって教えているわけではない。
    教師は,不定積分の「明証」の形を意識していない。
    わからせる授業を自分がやっていないことを,意識していない。
    そこで,生徒がわからないのを,生徒のアタマのせいにしてしまう。

    では,不定積分を明証的に教えたら,生徒はわかるようになるか?
    そうはならない。
    不定積分を明証的にした形は,生徒が受け取れるものではない。
    明証的にすることは,この場合,難しくすることにもなる。

    そこで,《生徒に合わせて,明証性を弛める》が,必要なことになる。
    教師は,本来,これができなければならない。

    以下,不定積分の「明証」の形を示す。
    ただし,つぎの内容が既習になっているとする:
    1. 定積分の記号法
    2. 「aからbの定積分は,原始関数Fに対する F(b)−F(a)」
    3. 原始関数は,定数の違いを許して一意