<移動距離の変化>のグラフの作図 (近似処理) 作成: 2006-07-23
更新: 2007-10-31


  1. 課題:「<速度の変化>のグラフに対する<移動距離の変化>のグラフの作図を考えよう」

      経過時間tにおける速度vt が示されているグラフから,
      経過時間tにおける移動距離 St を示すグラフを作図。


  2. 作図のアイデア

    • 等速度運動であれば,小学算数の知識で移動距離を求めることができる。
      等速度ではないので,問題になっている。
    • 時間を区切ってその間を等速運動に近似 (=速度の変化のグラフを<階段>に近似) すると,移動距離変化のグラフの近似 (<折れ線>) が得られる。
    • 時間の区分を細かくすることによって,移動距離変化のグラフのよりよい近似が得られる。
       予想 : 「時間の区分を細かくしていくと,
       移動距離変化のグラフがひとつの形に収束する」


  3. 作業
      近似した<階段>グラフに対し,このときの<折れ線>グラフを,計算で求める。


  4. <階段>グラフへの近似と,これに対する<折れ線>グラフを求める計算の式を,文字式で表す。
    (これは「区分求積」の概念に一般化される)

    1. <階段>への近似と,これに対する St の計算式を,文字式で表す:

        St = v1·Δt1 + v2·Δt2 + ‥‥ + vn·Δtn
          ( t = t1 + t2 + ‥‥ + tn )

    2. (シグマ) の記号法を導入する:
        v1·Δt1 + v2·Δt2 + ‥‥ + vn·Δtn =  n

        k=1
        vk·Δtk


  5. 「時間の区分を細かくする」の極限を,式に表す。
    (これは「定積分」の概念に一般化される)

    • lim を導入する:
        lim
        n→∞
        n

        k=1
        vt·Δtk