Up 中学数学の「1次関数」は,「定値関数の積分」 作成: 2013-11-26
更新: 2013-11-26


    「1次関数」の出自は,「量の比例関係の上の位対応」(アフィン関係) と「変化率一定」(定値関数の積分) の2通りがある。
    では,中学数学の「1次関数」は,この2つのどちらになるのか?
    「変化率一定」(定値関数の積分) の方になる。

    実際,つぎが,中学数学の「1次関数」の導入素材になる:
    • 等速運動での,経過時間と移動距離の関係:時間 → 距離
      (但し,移動距離では初期値を考える)
      比例関係は,時間 → 距離
    • 風呂に水を入れるときの,経過時間と風呂の水の高さの関係:時間 → 長さ
      (但し,高さでは初期値を考える)
      比例関係は,時間 → 長さ

    導入素材になる関数は,量と量の対応である。
    そしてつぎに,単位の固定をやって,1次関数 (数と数の対応) の導出となる。


    これに対し「量の比例関係の上の位対応」(アフィン関係) の場合だと,導入素材の関数は位と位の対応にすることになる:
    • 等速運動での,時刻と位置の関係:時刻 → 位置
      (但し,初期時刻・初期位置を併せて考える)
      比例関係は,時間 → 距離
    • 風呂に水を入れるときの,時刻と風呂の水の高さの関係:時刻 → 高さ
      (但し,初期時刻,初期高さを併せて考える)
      比例関係は,時間 → 長さ
    これは,中学数学としては構造が複雑過ぎ,したがって中学数学の内容にはならない。