- 行列
「行列」の意味は,
- 「単位の換算」に対応する「基底変換の表現行列」
- 「比例関係の比例定数」に対応する「線型写像の表現行列」
です。
しかし,高校数学では,「行列」は数の表として導入されます。
「数の表」は線型写像/線型変換という文脈で「行列」になるわけですが,高校数学ではただの数の表も「行列」です。
- 行列の積
行列の積の意味は,
- 「単位換算の合成」に対応する「基底変換の表現行列の合成」
- 「比例定数の積」に対応する「表現行列の積」
です。
しかし,高校数学では,行列の積は形式として「定義」されます。これは,天下り的に唐突に現れるということです。
「積」の操作を導入する理屈が学習者に見えませんから,学生は戸惑います。「一体何のこと?」といった感じでしょう。
- 以上はもちろん,指導の欠陥です。
しかし,古典的な「行列と行列式」の指導がそもそもこのようになっていますので,独り高校数学の責任に帰すわけにもいきません。
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