Up <数は量の抽象>から導かれる「かけ算」  


    学校数学は,<数は量の抽象>である。
    特に,数は量である。

    自然数は,個数の抽象である。
    個数が,自然数を抽象させるところの量である。

    そこでつぎが自然数2,3,6である:


    ところでこの2,3,6は,2×3=6の関係にある:


    翻って,「×」はこの関係の或る読み方を示すものということになる。
    さて,どのように読むのか?


    つづいて分数。
    分数 2/3,4/5,8/15 は,つぎの量である:


    ところでこの 2/3,4/5,8/15は,2/3 × 4/5 = 8/15 の関係にある:


    翻って,「×」はこの関係の或る読み方を示すものということになる。
    さて,どのように読むのか?


    中学数学の「正負の数」は,つぎのように導入される:
      《これまで学習した数の数直線で,逆溯行を開始する。》
    そしてこのときは,数の絵が,これまでの<大きさ>から<位(置)>に変わることになる。 (<数は量の抽象>の立場では,数の絵は<大きさ>の絵になる。しかし,「正負の数」では,強引に<大きさ>の絵をつくることも,ままならない。)

    そこで,正負の数 −2,+3,−6は,つぎの位である:


    ところでこの −2,+3,−6は,(−2) × (+3) = (−6) の関係にある:


    翻って,「×」はこの関係の或る読み方を示すものということになる。
    さて,どのように読むのか?


    問題になったこれら3つの読み方は,どれもまともにつくることができない。
    問題が難しいからではなく,前提にしている<数は量の抽象>がもともと荒唐無稽だからである。

    しかし学校数学で「これがかけ算である!」と生徒に指導することになるものは,これである。

     註 :ここに教員の苦心・苦労を読むのは,当たっても半分である。 というのも,教員の方も,「これがかけ算である!」を疑っていないからである。


    さて,「かけ算の順序」の問題は,ここで示した「かけ算」について考えられているのである。
    土台が荒唐無稽なところに問題を立てれば,どういうことになるか?
    これを見ていくとしよう。