Up | 剰余類環 | 作成: 2012-05-18 更新: 2012-05-18 |
すなわち,3を法とする剰余類だと,3つの類を「0を含む類」「1を含む類」「2を含む類」と表現できる。 あるいは,「3を含む類」「7を含む類」「5を含む類」と表現できる。 「nを含む類」を, [n] で表す。 類の和 (加法) と積 (乗法) を,つぎのように定義する:
3を法とする剰余類で考える。 [m] = [m′] ,[n] = [n′] であるとは,mーm′,nーn′ が3の倍数であること。 そしてこのとき,(m + n) ー (m′ + n′),(m × n) ー (m′ × n′) は,つぎの式変形からわかるように,3の倍数である:
(「3」を文字「p」に換えれば,一般的証明になる。) この+,× は,3を法とする剰余類の場合だと,つぎのようになる:
剰余類の加法と乗法は,それぞれ結合法則,交換法則が成り立つ:
また,両者の間に分配法則が成り立つ:
さらに,[0],[1] が,それぞれ加法に関する零元,乗法に関する単位元になる:
また,ここまでは自然数に対し剰余類を考えてきたが,まったく同様にして整数に対して剰余類を考えることができる。 そしてこのときは,各類 [n] は+に関する対称元をもつ──それは類 [−n] である:
以上のことは,数学の「環」のことばを用いて,つぎのように言い表せる:
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