Up 現行の「比例」指導の流れ 作成: 2013-11-22
更新: 2014-05-19


    「比例」の現行指導内容は,最初に単位を設定する構成になっている。
    この構成が導く 「比例」の授業は,つぎのものである:

    (1)「比例関係」の数値表の導入
      T.「等速」を考えよう。
      T. 2秒に10mだと,6秒では?
      P. 時間が2秒の3倍だから,距離は10mの3倍で,30m。
      T. 12秒だったら?
      P. 時間が2秒の6倍だから,距離は10mの6倍で,60m。
      P. 時間が6秒の2倍だから,距離は30mの2倍で,60m。

        時間 (x秒)  2  6  12  
        距離 (ym)  10  30  60  

    (2)「比例」のことばの導入
      T. 2つの量x,yの間の関係で,xの値が2倍,3倍,‥‥のときyの値も2倍,3倍,‥‥の関係を,「比例」という。

    (3)「y=決まった数 × x」の導入
      P. 縦が,同じ倍になっている。5倍だ。
      P. だから,6秒のとき (6×5)m=30m,12秒のとき (6×12)m=60m。
      T. 5はどこから出てくるのか?
      P. 1秒のとき 5m。
      T.「y=決まった数 × x」のきまりが見つかった。
      T.「比例関係」は,「y=決まった数 × x」と言い換えられる。

    このように,「比例」の現行指導内容の構成では,「比例関係」と「y=ax」が表を横に見るか縦に見るかの違いになる。
    そして,表だけのことであれば,横・縦どちらが優位ということはない。
    こうして,「比例関係」と「y=ax」は同列のものになる。

    このことを,本論考はつぎのようにまとめる:
      数学の「比例」の構成:
        比例関係単位の固定y=ax
      に対し,現行の「比例」指導は,つぎの構成になっている:
        単位の固定比例関係
        y=ax