Up 主題の位置マップ 作成: 2011-04-08
更新: 2011-04-08


    中学数学の「比例関数」は,つぎのような位置づけになる:




    小学算数は,「比例」を「一方の量のn倍に,他方の量のn倍が応じる関係」として扱う。
    この扱いは,数学が比例を定式化する形「f(×n) = f()×n」と同じである。

    中学数学では,比例が「y=ax」になる。
    これは,比例関係における2量間対応から,単位を固定することによって数値間対応を導いたものである。
    すなわち,「一方の数値の一定倍が他方の数値になる」が「y=ax」の読み方である。

    小学算数は,「数と量」(数と量の区別) から始めて,次第に「数=量」にしていく。
    そして,中学数学では,はじめから「数=量」になる。
    高校数学になると,「数と量」( 数と量の区別) が「ベクトルとスカラ」の形で (非明示的ながらも) 復活する。
    さらに,大学数学になると,線型代数の中で「f(×n) = f()×n」が復活する。

    「比例関数」の主題は,この「数と量」の流れ (通時的な流れ) に,「関数」の流れ (共時的な流れ) が合わさるものになる。
    実際,現行の「比例関数」は,「関数」の概念,文字の「変数・定数」的用法,等の指導を兼ねるように構成されている。