Up 1と見る  


    「数は量の抽象」では,出てくる数をみな量にしなければならない。
    ところが,2量があれば,これの比が考えられることになり,これは数である。 この数もまた量にするということをやれば,無限ループになる。
    そこで,無限ループのストップをかけなければならない。
    これをやるために,また自然法則・物理法則に類する実体法則を使う。

    「割合」の問題の解法では,数である割合を量にしなければならないので,「1と見る」をやる。 そして,「比の3用法」という実体法則を導入して,無限ループのストッパーにする。 (「割合の問題の解法」(「数は量の抽象」の立場))

    単に「量bは量aの何倍?」と問えばよいところを,「量aを1に抽象するとき,量bはどんな数に抽象されるか?」という形の配置をつくる (「1と見る」)。そして,このときの「どんな数」を,「割合」の意味とする。
    「何倍?」の問題をこんなふうに「割合の問題」にすることに意味があるのか? 何の意味もない。「1と見る」は,何も機能していない。