Up 「数は量の抽象」文化と<数学=外世界>  


    数の操作の説明を「数は量の抽象」の世界観に整合させようとするとき,それはひどく混沌としたものになる。
    ただし,混沌に棲む者は,混沌とは思っていない。
    この世界はなかなかに難しい・奥深いゾ」の思いで,自分の世界の解明に向かう。

    混沌は,これの外に出てはじめて,混沌であることが認識される。
    そして,このときの<外>になるものが,数学である。
    数学は,混沌のクリアをひじょうにラディカルに行う。
    「数は量の比」は,「数の現象の説明」という課題に対するラディカルな解決になっている。 ( 鳥瞰図 (「積・商の立式」のロジック))

    数学 (「数は量の比」) のクリアと学校数学 (「数は量の抽象」) の混沌は,極端なコントラスを成す。 改めて考えてみれば,これはきわめて<異常>な関係である。──この意味で,数学教育学的関心事になる。