Up 「数は量の抽象」の時代背景 作成: 2010-12-14
更新: 2010-12-14


    「数は量の抽象」の意味は,これの時代背景を見ていかないとわからない。
    実際,学校数学の「数」は,時代の産物の体(てい)である。 この「時代の産物」を語らずして,学校数学の「数」は語れない。

    「数は量の抽象」の時代背景は,「階級闘争 (ブルジョア対プロレタリアート)」をイデオロギーとする政治運動である。
    この政治運動では,当然,学校教育が重点課題になる。 そして,学校教育で運動の主体をつとめたのが,時の日教組であった。
    この運動は「国民教育運動」と称される。

    課題は,ブルジョア政権から学校教育を取り返し,「国民」のための学校教育を打ち立てることである。 「国民」の思想性・精神性・知性を同定し,これを陶冶する教育を実現することである。

    この課題は,各教科に降ろされる。
    各教科で,《ブルジョア政権下の学校教育に対立軸をつくる》の構えで運動がスタートする。
    そして,《対立軸をつくる》の格好でスタートしたものは,決まって無理をすることになる。
    牽強付会をやってしまうのである。