Up 比較 :「線分図」 作成: 2011-12-01
更新: 2012-02-25


    学校数学は,数の積の立式・計算の指導を,文章題から始める。
    文章題には,比例関係の問題が用いられる:
「1cm3 が2/5g のとき,4/3 cm3 は何g?」
    これを
「1あたり 2/5gは,4/3 だと何g?」
    に替える。──これの数学的意味は,<体積>を<量としての数>に替えるということ。
    そして,つぎの「数直線」をつくる:

    ところで,過去には,つぎの形の図 (ここでは「線分図」と称しておく) が指導されたこともある:

    数直線」と「線分図」には,違いがある。 すなわち,見掛けの違いだけではなく,数学的な違いがある。
    本テクストの主題からは外れるが,この内容をいちおう押さえておく。

    「線分図」では,「1」「2/5g」「4/3」「何g」は,量として表示されている。 これに対し「数直線」では,位(くらい) として表示されている。
    われわれは「時間」と「時刻」を区別するが,この区別が量と位の区別である。
    量に対する位の関係を数学にすれば,「ベクトル」に対する「点」,空間でいえば「ベクトル空間」に対する「アフィン空間」というふうになる。