Up 「第1用法」が「第3用法」よりも複雑 作成: 2011-12-15
更新: 2012-03-03


    「分数・小数のかけ算・わり算」の立式・計算の現行指導は,比例関係の文章題から始まる。 この文章題は,比例関係にある2量それぞれの単位──単位a,単位b ──に対するつぎの形をもとにする:
      「1単位a に ○ 単位b が対応するとき,
       △ 単位a には □ 単位b が対応する。」
    例えば,液体の体積(かさ) と重さの比例関係で,それぞれの単位に dL,kg をえらぶときは,つぎの形がもとになる:
      「1dL が ○ kg だと,△ dL で □ kg。」

    この形から,つぎの3通りの文章題が導かれる:
      A. 「1dL が ○ kg だと,△ dL で 何 kg か?」
      B. 「1dL が ○ kg だと,何 dL で □ kg か?」
      C. 「1dL が 何 kg だと,△ dL で □ kg か?」
    A が,「かけ算」の文章題になり,B, C が「わり算」の文章題になるわけである。 さらに,「比の3用法」のことばを用いるならば,B は「第1用法」タイプ,C は「第3用法」タイプである。

    タイプの違いは,立式・計算の複雑さの違いになって現れる。
    すなわち,「第1用法」の方が「第3用法」よりも,「数直線」の図式操作の上で,考え方がより難しくなったり,手順がより複雑になる:

    (1) 立式

    (2) 計算
     (2-1) 「逆数」を用いる場合:

     (2-2) 既習にしておいた「分数×整数」「分数÷整数」を用いる場合: