Up 「形式不易の原理」  


    数学教育の論の中に,「形式不易の原理」ということばが現れてくることがあります。

    「×」「÷」は,数に対して定義されます。 しかし,これを量に対して使う立場の人がいます (「数は量の抽象」)。
    これは論理的に間違いですから,困る場面が出てきます。 このとき論理の飛躍に使うのが,「形式不易の原理」のことばです。

    「形式不易の原理」は,つぎのように使います:
    1. 「タテ×ヨコ=面積」は,自然数でも分数でも実数でもやってよい。
    2. 「距離÷速さ=時間」は,自然数でも分数でも実数でもやってよい。

    これはインチキですから,厳に退けてください。

    数学では,「同型」は演繹によって結論します。
    数学は,「形式不易の原理」を必要としません。