Up <学校数学の数学> 作成: 2010-07-25
更新: 2013-03-09


    学校教員養成課程の専門数学の授業・ゼミのアウトプットは,<学校で数学の授業ができる者>である。
    「学校で数学の授業ができる」とは,「学校数学の数学を捉えることができ,そしてこれを教えることができる」である。

    ここで,特に「学校数学の数学を捉えることができる」の方を考える。
    「学校数学の数学を捉えることができる」者の養成は,何をすることか?
    学校数学を回収する数学──<学校数学の数学>──を教えてやることである。

    小学校の算数でも,その数学を定式化すれば,専門数学になる。
    <学校数学の数学>をやることは,専門数学をやることである。
    専門数学の質を落とした数学をやるということではない。

    「<学校数学の数学>は専門数学」の逆,すなわち「専門数学は<学校数学の数学>」も,真である。
    即ち,専門数学もその根っこはごく卑近なところにあり,その卑近をベースにして,学校数学とつながる。 この構造で,専門数学科目は<学校数学の数学>になる。
    実際,大学で教えている数学は,だいたいが,はじめから算数の中にある。

    学校教員養成課程の専門数学科目の容量は,<学校数学の数学>の主要部分をカバーして満杯になる程度のものである。 よって結論として,学校教員養成課程の専門数学科目は<学校数学の数学>だということになる。