Up | 土台ができていない | 作成: 2013-03-11 更新: 2013-03-11 |
系統・体系は,<もと>がしっかり据わっていて,体(てい) をなす。 <もと>が据わっていないところには,何を積んでも積んだことにならない。 このことは,そのまま数学の授業にあてはまる。 土台ができていない生徒に対しては,授業を進めることはできない。 ──進めても無駄である。 数学は「論証」を方法論にするから,「論証」の理由としくみがわかることは,土台である。 特に,「推論規則・定義・定理・証明」の概念は,土台である。 現代数学は「集合」の上に築かれるから,「集合」のことばを使えることは土台である。 「数」の意味としくみがわかることは,土台である。 「関数」の概念は,土台である。 各分野では,主題をわかっていることは,土台である。 例えば,生徒が積分の授業を受けていて「積分とは?」の問いに答えられないとすれば,その積分の授業は,土台をすっとばしてやっているわけである。 等々 土台の構築は,時間がかかる。 カラダが新しい構造をつくり出すプロセスであるから,時間がかかるのである。 このプロセスを効率化しようとすると,必ず失敗する (バチがあたる)。 しかし,授業力がない教員は,「伝える=伝わる」で授業でをやってしまう者である。 土台構築の局面を,「伝える」でやってしまう。 土台構築を「伝える」でやるとは,土台構築をすっとばすということである。 |