Up 出口論主流の繰り返し 作成: 2009-11-17
更新: 2010-02-14


    <出口論をつくる>とは,つぎの段階として<出口に応ずる指導課程をつくる>ということである。 出口を提言する者は,同時に,その出口に応ずる指導課程が存在すると言っていることになる:
      出口論と指導課程の間には高々時間差しかない。出口が定まれば,後はこれに応ずる指導課程をつくるばかりであり,これは取り組み・努力・力の結集の問題である。

    しかしわれわれは,新しい出口論が登場してはやがて無為に退場する繰り返しを,見てきている。
    外見は新しいが,根っこを見れば昔あったものの再登場,という実態も見てきている。

    例えば,「問題解決」は,1980 年の NCTM Agenda に登場してから 30年になろうとしているが,指導課程を現していない。 そしていまは,OECD-PISA に同調するタイプの出口論が盛んになっている。
    しかし,OECD-PISA 同調型出口論は,「問題解決」と同類型である。 もう少し溯れば,「生活単元─コアカリキュラム」と同類型である。 新しく見えても,それは装いであり,本質・構造は変わっていない。

    新しい出口論は,これまでと違うものなのか?
    指導課程をついに現すものなのか?

    否。新しい出口論は,装いを新しくした出口論である。 中身の方は,変わっていない。
    中身が変わっていないことを見るために,歴史の参照がある。