Up 普遍指向──「生きる力」指向とは逆 作成: 2011-09-30
更新: 2011-10-12


    学校数学は,「学校数学で陶冶すべき傾向性」という問題を立てる。 これは学校数学出口論である。
    出口論の主流は,「学校数学で陶冶すべき傾向性」を「生きる力」にする。 それは,PISA/OECD が主題化するようなつぎの「力」である:
      「問題解決力」
      「即応力」
      「競争力 (competence)」
      「グローバル社会でバリバリやっていける力」
    「生きる力」は,「今を生きる力」である。

    数学の勉強で陶冶される傾向性のイメージは,「今を生きる力」とは逆のものになる。 すなわち,イメージは「普遍指向」である:
      「ムードに流されない落ち着いた境地・達観」

    PISA/OECD に数学教育を合わせようとするのは,数学に対する錯認ということになる。