Up 出口論主流の型──表象主義 作成: 2010-11-09
更新: 2010-11-09


    出口論主流には,一定の型がある。
    それは,行為語「○○」(e.g.「コミュニケーション」) に対しつぎの論を展開するというものである:

    1. ひとは,○○できる者でなければならない。
      みなを○○できる者にすることは,学校教育の仕事である。

    2. ○○できる者を実現する方法は,○○の行為をいろいろ・たくさん課すことである。
      各教科が,自分の領域でこれを行う。
      特に,算数科・数学科で,これを行う。

    3. 算数科・数学科で「○○の行為をいろいろ・たくさん課す」を実施するに際し,
      つぎのことを研究の形で明らかにしていかねばならない:
      1. 「○○」の意味・内容は? (概念分析研究)
      2. 「○○の行為をいろいろ・たくさん課す」の指導法は? (授業実践研究)


    この型は,リアルとことばの写像論に立っている。
    リアルとことばの写像論は,表象主義である。

    この立場では,能力の表現になることばを分類することが,能力の分析をやったことになる。
    そこで,「○○できる力」の標題を立てると,ことばの分類を内容とする研究行動が開始される。
    「広辞苑で○○をひくと ‥‥」の文言を論文でも見るが,これは表象主義を特徴的に表すものである。

    「数学的な考え方」「数学的問題解決ストラティジー」 は,表象主義でやっている。
    いま立ち上げられている「数学的リテラシー」も,同じことを繰り返すことになる。