Up 人材育成論――学校数学出口論 作成: 2012-11-16
更新: 2013-01-15


    人材論・人材育成論は,いろいろな装いで,そして各々衣装替えを繰り返す格好で,世の中につねにある。 そしてこのうちに,経済界・国が発してくるものがある。

    学校数学は,これを引き受ける。
    即ち,人材論・人材育成論に学校数学出口論で応じる。

    学校数学出口論は,ムーブメントをつくり,学校数学を攪乱する。
    実際,学校数学出口論は,学校数学の最も自然な攪乱になる。

    最近では,PISA/OECD ムーブメントがある。
    これは,グローバリズム・ムーブメントである。


    学校数学出口論には,つぎの「数学的○○」の流れがある:
      「 数学的考え方」→「数学的問題解決」→「数学的リテラシー」
    これは,<経済界・国が求める人材>と重ね合わせられ,そして 「指導要領」も取り込む格好で, 学校数学出口論の主流を形成している。
    学校数学出口論は学校数学の攪乱を機能にもつが,この場合の「数学的○○」の特徴は,数学教育学パラダイムとして学校数学を攪乱するということである。


    出口論はどのように機能するものか?

    出口論は,出口を「生きて働く力」に定める。
    そして,この出口を実現するところの「学校数学」を,「生きて働く力」単元の構成と定める。
    このとき,「生きて働く力」単元の具体的内容 (「何をどう教えるのが,これの授業か?」) は,棚上げにすることになる。
    この棚上げが,学校現場への丸投げになる。
    出口が「箱物」として,学校現場に投じられる。

    一般命題として,「箱物」の現場丸投げは,「攪乱と均衡回帰」のライフサイクルを描いて終わる。
    そして,一つの出口論の終焉の後には,模様替えした新たな出口論が登場し,同じプロセスを開始する。これが繰り返される。( §「拍動」)