Up 学校数学現成論の定立 : 要旨 作成: 2014-02-15
更新: 2014-06-16


    ひとが「学校数学」を論じることは,「向上」を論じることである。
    ひとは,物事を「向上」で考える習慣をもつ。
    しかし,物事には本来「向上」の含蓄はない。
    実際、「学校数学」は,「向上」の試みがずっと続けられてきた割には,向上していない。 全体として代わり映えしない。

    「学校数学」は,「する」(目的・実践) を考える一方で,「なる」(法則) を考えるべき主題である。
    本論考は,「学校数学」を「なる」の視点で捉えようとする。

    「なる」とは,どういうことか?
    学校数学の「なる」は,複雑系の「なる」である。
    複雑系の「なる」は,「均衡相の実現」である。

    しかし,「均衡相の実現」をいえば,現前こそ「均衡相の実現」である。
    複雑系において,現前は「均衡相の実現」であり,「なる」の相に他ならない。
    「なる」は,この先に求めるものではなく,現前がそれである。
    こうして,「なる」論は,「現成論」(《「なる」は現前に成っている》) がこれの形になる。

    本論考は,「学校数学現成論」である。
    本論考は,「する」論 (目的・実践論) に対する現成論の対置である。