Up 「現成」の定立 作成: 2014-07-03
更新: 2014-07-03


    本論考はここまで,「学校数学=生態系」「自己維持する系」「意味/出口/是非/進歩と無縁」と論じてきた。
    いま,これらの内容を括るないし含蓄する一般形式として,「現成」の概念を立てる。

    生態系は,その中の個が絶えず蠢いている系である。
    自己維持は,静的な自己維持ではない。
    現前の自己回収を現前とするという格好の,自己維持である。

    「現前の回収が即ち現前」は,「ウロボロス」と表現されてきた構造である。
    本論考は,「現即是成・成即是現」を強調して,この構造を「現成」と表現することにする。

     註 : 「現成」は,道元の「現成公案」から引いた。
    「現即是成・成即是現」は,本論考独自。

    そして,ここまでの論考の上にのって,つぎのように結論する:
      「「学校数学=生態系」が現れるまで視座を退いて学校数学を臨むとき,
       その学校数学の在り方は「現成」である。」