Up 授業の特個性 (「個の多様性」) : 要旨 作成: 2014-03-14
更新: 2014-04-12


    授業は,個々に特個である。
    ここでは,この「特個」を捉える視点を挙げつつ,特個の内容を概括する。


    (1) 生徒の特個性 (「個の多様性」)

    学校数学は,複雑系である。
    そして,学校数学を複雑系にする要素に,学習者の多様性がある。
    同じ一つの授業を受ける生徒の変容は,一様ではない。
    これは,学校数学の意味が,個依存だということ,したがって多様だということである。

    個にとって学校数学の意味は,自分に対する学校数学の機能である。
    翻って,学校数学の機能は,個依存的であり,多様である。

    一方,この「個依存・多様」は,「数学本位 -対- 数学方便」に大括りされる。
    本章は,この論考を行う。


    (2) 授業の特個性 (「個の多様性」)

    本論考を導くものは,生徒からのつぎの問いである:
      学校数学の勉強は何のため?
    答えは,単純なものにならない。
    そもそも,生徒は多様である。
    授業/学校数学も多様である。

    前章は,生徒の多様性の押さえをした。
    本章は,授業/学校数学の多様性の押さえをする。
    但し,つぎの自明な一点の押さえである:
      「授業/学校数学の多様性は,価値通約できない多様性」
    授業は,特個である。
    授業の「多様性」は,価値の高低ではなく,特個の様々である。


    (3) 授業生徒関係の特個性 (「個の多様性」)

    本論考の主題は「授業運」であるが,「授業運」は
    1. 生徒 (特個) と授業 (特個) の出遭い
    2. <授業−生徒>関係における生徒 (特個) と授業 (特個) の成長
    の二つを合わせるものである。 ──実際,出遭いは,その後の相互関係,互いの変容へと話が続いて,はじめて意味をもつ。

    生徒と授業は,互いに歩み寄って関係調整する。
    これが,それぞれの成長になる。

    <授業−生徒>関係は,基本的に,親和関係である。
    そして,特個的生徒と特個的授業が形成する親和関係として,親和関係は特個的である。
    この特個的親和関係全体は,<個の多様性>を現す:
      例:「学級の個性」  
        「授業の地域性」