Up 授業/学校数学の「同一反復 (進歩しない)」: 要旨 作成: 2012-12-25
更新: 2014-03-07


    授業/学校数学の系は,生きる系であり,内部で運動している。
    この運動は,つぎの二重構造で見るものになる:
      1. 「個の多様性」で括られる蠢動と均衡
      2. 「個の多様性」がその上に乗るところの周期的な波動
    本論考は,1 と 2 をそれぞれ「何でもありを以て均衡」「同一反復」と表現し,区別する
    「何でもありを以て均衡」は,前節が主題にしたものである。
    「同一反復」は,本節がこれを主題にする。


    学校数学は歴史が長い。 そこで,もし学校数学が進歩するものなら,この間ずいぶんと進歩していなければならないはずである。
    事実はそうではない。
    学校数学は進歩するものではないということである。

    実際,学校数学は,右肩上がりの上昇運動では全くない。
    攪乱と均衡回帰の繰り返しになっている。
    二極の間の振り子運動になっている。
    こうした<同じことの繰り返しに>なっている。

    この反復運動の意味は,<学校数学=生態系/生命体>の新陳代謝である。
    新陳代謝は,生態系/生命体の含意である。
    新陳代謝は,同じことの繰り返しである。
    生態系/生命体が現前しているとは,同じことの繰り返しをしているということである。

    生態系/生命体の運動は,ただ運動すべく運動しているというものである。
    <意味>や<価値>で運動しているのではない。
    とりわけ,この運動は「進歩」ではない。